教職員の長時間労働是正を考えるシンポジウム

11月3日(金)秋田ビューホテルにおいて、秋田県教職員組合・連合秋田・秋田魁新報社の共催で教職員の長時間労働是正を考えるシンポジウムを開催し、一般参加を含め約230名が参加しました。

写真:シンポジウムの様子01

現在の秋田県の小中学校で勤務する教職員の長時間労働の実態については、昨年度「教職員の多忙化に係る状況調査」が行われ、2013年の前回調査よりも長時間労働の状況が悪化しているとの結果が出されています。また、教員の勤務実態調査(2016年)によると、過労死ライン(月残業80時間)相当の週当たり60時間以上勤務する教諭の割合は、小学校で33.5%、中学校で57.7%と、民間労働者と比較して高くなっています。このような現状を踏まえ、秋田県で働く教職員の長時間労働の実態や原因を明らかにするとともに、市民や保護者、教育現場の現状や労働法制に詳しいパネリストの方々との議論を通じ、打開策を探ることを目的とし、シンポジウムを開催しました。

写真:シンポジウムの様子02

主催者を代表し連合秋田・黒﨑会長は、人口減少・超少子高齢化社会の課題や社会の環境整備の必要性、現状の教職員の長時間労働の実態に触れた後、連合の働き方改革関連法案に対する考え方、教職員の長時間労働是正に向けた具体的考え方を述べ、「長時間労働の是正や不合理な格差の解消に向けては、労働運動として法改正の先を見据えた私たち自らの取り組みも問われている。痛ましい過労死を防ぎ、誰もが希望を持って、女性も男性も誰もが仕事と生活を両立できる社会に向けて、それぞれの労使があるべきマネジメント、あるべき働き方を追求し、社会全体で労働時間を最適化していかなければならない。連合秋田としても構成組織と一体となり、『労働組合なくして働き方改革なし』というメッセージを職場・地域に発信し、役割を果たしていきたい。」と挨拶しました。

写真:シンポジウムの様子03

シンポジウムでは、初めに基調講演として「学力神話からの解放と教師の長時間労働」と題し、教育学研究者の鈴木 大裕氏より自身の教員時代の経験や現状の日本の教育の問題点、米国との比較等を交えて講演をいただきました。

その後、パネルディスカッションとして秋教組・櫻田委員長がコーディネーターを務め、現職の小・中学校の教員や秋田県PTA連合会副会長を含むパネラー5名にて、「教職員の長時間労働の実態とその原因」「長時間労働の問題点と悪影響」「長時間労働是正のための打開策」の3つのテーマでディスカッションを実施しました。会場の参加者からも多数意見が寄せられるなど、教職員の働き方改革への関心の高さが伺えました。

連合は引き続き教職員の長時間労働是正に向け取り組みを行っていきます。

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